介護保険 自立支援

ここでは介護保険と自立支援について記述していきます。

「介護保険」と「自立支援」の関係については2通りの解釈が可能です。

ひとつは、「介護保険サービスにおける自立支援サービスそのもの」

もうひとつは、「介護保険法と障害者自立支援法との関係」です。

・介護保険における自立支援

介護保険における自立支援については、「訪問介護」および「福祉用具」のページにて解説をしています。

→介護保険 訪問介護

→介護保険 福祉用具

主にこのページでは「介護保険と障害者自立支援法との関係」について記述していくこととします。

・介護保険と障害者自立支援法との関係

旧来、障害者は障害者自立支援法によりそのサービスを受けてきました。

後に介護保険制度が創られ障害者の介護保険サービスと重複する部分については「介護保険を優先する」という形に変化してきています。

元々、障害者自立支援法の財源は税金で賄われています。他方、介護保険の財源は税金と保険料の折半です。

現状として障害者自立支援は財政難に直面しており(現状の国の歳入をみれば明らか)制度破綻の危機に瀕しています。

そこで国は、障害者自立支援が負っている部分について、介護保険と重複する部分がある場合は介護保険の適用を優先することになりました。

1.まずは介護保険による介護保険サービスを基本とする。

2.介護保険で不足する部分を障害者自立支援で補う。

このような流れです。

国としては、最終的に介護保険と障害者自立支援の統合を目指していましたが、政権が交代し政府が障害者自立支援法の抜本的改革を指示したため、現在も2法の関係は微妙なままとなっています。(両法間に存在するグレーゾーンが放置されたままになっている)

本来、法の適用は国民の利益となるように作用するのが通常なのですが、この両法間においては必ずしもそうではないようで、この現状に悩まされている障害者の方はたくさんおられるようです。

・文書抜粋による両方の関係性

平成1 9 年3 月2 8 日、国(厚生労働省)から各都道府県に通達がなされ、ある程度市町村格差は減っていると思われますが、文書にも記載されていることですが、「市町村の意思」により判断がなされます。

必ずしも、通達どおりにはいっていないところが多いのでは?と思っています。

1.介護給付費等と介護保険制度との適用関係(要約)

介護保険の被保険者である障害者が要介護(要支援)状態となった場合には、要介護認定等を受け、介護保険法の規定による保険給付を受けることができる。
その際、自立支援給付については、介護保険法の規定による保険給付が優先されることとなる。

市町村は、介護保険の被保険者(受給者)である障害者から障害福祉サービスの利用に係る支給申請があった場合は、個別のケースに応じて、申請に係る障害福祉サービスに相当する介護保険サービスにより適切な支援を受けることが可能か否か、当該介護保険サービスに係る保険給付を受けることが可能か否か等について、介護保険担当課や当該受給者の居宅介護支援を行う居宅介護支援事業者等とも必要に応じて連携した上で把握し、適切に支給決定すること。

これによると、「まずは介護保険が優先」そして「必要な部分は障害者自立支援を個別に適用していく」と解釈できます。

2.優先される介護保険サービス

自立支援給付に優先する介護保険法の規定による保険給付は、介護給付予防給付及び市町村特別給付となっている。従って、これらの給付対象となる介護保険サービスが利用できる場合は、当該介護保険サービスの利用が優先される。

3.介護保険サービス優先の捉え方

一.サービス内容や機能から、障害福祉サービスに相当する介護保険サービスがある場合は、基本的には、この介護保険サービスに係る保険給付を優先して受けることとなる。しかしながら、障害者が同様のサービスを希望する場合でも、その心身の状況やサービス利用を必要とする理由は多様であり、介護保険サービスを一律に優先させ、これにより必要な支援を受けることができるか否かを一概に判断することは困難であることから、障害福祉サービスの種類や利用者の状況に応じて当該サービスに相当する介護保険サービスを特定し、一律に当該介護保険サービスを優先的に利用するものとはしないこととする。したがって、市町村において、申請に係る障害福祉サービスの利用に関する具体的な内容(利用意向)を聴き取りにより把握した上で、申請者が必要としている支援内容を介護保険サービスにより受けることが可能か否かを適切に判断すること。なお、その際には、従前のサービスに加え、小規模多機能型居宅介護などの地域密着型サービスについても、その実施の有無、当該障害者の利用の可否等について確認するよう留意する必要がある。

二.サービス内容や機能から、介護保険サービスには相当するものがない障害福祉サービス固有のものと認められるもの(行動援護、自立訓練(生活訓練)、就労移行支援、就労継続支援等)については、当該障害福祉サービスに係る介護給付費等を支給する。

上記記載は、先述した「介護保険サービスを障害者自立支援より優先して運営していくということの理由付け」と、「介護保険にないサービスは障害者自立支援に則ってサービスを行う」ことの明文化と見て取れます。

4.具体的な運用

3.により、申請に係る障害福祉サービスに相当する介護保険サービスにより必要な支援を受けることが可能と判断される場合には、基本的には介護給付費等を支給することはできないが、以下のとおり、当該サービスの利用について介護保険法の規定による保険給付が受けられない場合には、その限りにおいて、介護給付費等を支給することが可能である。
一.在宅の障害者で、申請に係る障害福祉サービスについて当該市町村において適当と認める支給量が、当該障害福祉サービスに相当する介護保険サービスに係る保険給付の居宅介護サービス費等区分支給限度基準額の制約から、介護保険のケアプラン上において介護保険サービスのみによって確保することができないものと認められる場合。
二.利用可能な介護保険サービスに係る事業所又は施設が身近にない、あっても利用定員に空きがないなど、当該障害者が実際に申請に係る障害福祉サービスに相当する介護保険サービスを利用することが困難と市町村が認める場合(当該事情が解消するまでの間に限る。)。
三.介護保険サービスによる支援が可能な障害者が、介護保険法に基づく要介護認定等を受けた結果、非該当と判定された場合など、当該介護保険サービスを利用できない場合であって、なお申請に係る障害福祉サービスによる支援が必要と市町村が認める場合(介護給付費に係るサービスについては、必要な障害程度区分が認定された場合に限る。)。

ここで、具体的な運用例が示されています。しかしながら、あくまで「市町村の判断に委ねる」旨を強調した文書になっています。

5.補装具費と介護保険制度との適用関係

介護保険で貸与される福祉用具としては、補装具と同様の品目(車いす、歩行器、歩行補助つえ)が含まれているところであり、それらの品目は介護保険法に規定する保険給付が優先される。ただし、車いす等保険給付として貸与されるこれらの品目は標準的な既製品の中から選択することになるため、医師や身体障害者更生相談所等により障害者の身体状況に個別に対応することが必要と判断される障害者については、これらの品目については、障害者自立支援法に基づく補装具費として支給して差し支えない

ここをまとめると、

・基本的にはやはり介護保険による福祉用具の貸与が前提

・福祉用具が個別の病状に合わせて作成されたものである場合は、障害者自立支援法に基づく給付としてよい

ということになります。

・最後に

通達には最後に「介護保険被保険者の内、要介護認定がされる見込みの者には、介護保険サービスが優先することを伝え、要介護認定の申請を行うよう働きかけること。」といった趣旨の記載があります。

以上のような通達がされたわけですが、先に申し上げたとおり「財政は逼迫している状態」であり「介護保険法との統合を図っていた」ことを鑑みると、この通達とは別のところで、これとは相反する通達が過去になされていても不思議はありません。

もしそのようなことが仮にあった場合は、利用者の利益となるような動きはあまり見込めない、ということになってしまうでしょうね。



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