アートを育てる人、支援する人

多摩川アートラインプロジェクト実行委員会 事務局長 田中 裕人さん


市民、企業と、現代アーティストのコラボ企画により街を盛り上げている「多摩川アートライン」。

この2010年3月にちょうど第一期のプロジェクトが終了しましたが、今回はその活動の主体となった「多摩川アートラインプロジェクト実行委員会」の事務局長、田中裕人さんにお話しを伺いました。


~ 市民と企業で取り組む、現代アートによる街づくり活動「多摩川アートライン」 ~


「多摩川アートライン」とは、東急多摩川線エリアの鉄道(アートライン)・駅(アートステーション)・街(アートタウン)空港(アートスカイ)を舞台に、街の人とその街を拠点とする様々な企業が手を取り合って進める現代アートによる街おこしのプロジェクトです。

多くの人が集まり、通過していく駅をアートや文化的メッセージの震源とし、東急多摩川線の駅の各駅に同時多発的にアートイベントを仕掛けて、市民が参加できるお祭りを開催したり、作品を永久設置することで駅から発信する街づくりに取り組んできました。

例えば、ホームの天井全体をキャンバスにしたペインティングをしたり、駅に茶室を出現させてお茶会を開催したり、さらには移動中の京急多摩川線の電車の中でパフォーマンスを行う「10分7駅多摩川劇場」というものがあったり、駅・街それぞれにさまざまなアートが創り出されました。

このプロジェクトではアーティストが、普段の自分の活動だけでは関われない、創りだせないような取り組みを実現させてきました。

街を舞台とすることで、アーティスト自身も街に目を向け、自分一人の世界だけで完結しない幅の広い創作を可能にしているのです。

現在、アースワークやランドスケープデザインなどと言われるジャンルが存在しますが、多様な立場を持った人が存在し、既に価値観が固定化された街を舞台に創作活動の目を向けることは、アートシーンにとっても新しい可能性を働きかけるものにもなったのではないでしょうか。

参加アーティストには浅葉克己さんや名和晃平さん、内田繁さんなど。私が通う多摩美術大学の教諭である関根伸夫さんやフロリアン・クラールさんも参加していて、彼ら一流のクリエイティビティと街のコラボレーションは非常に興味深く、大田区以外の人々からも注目を呼ぶきっかけになっています。

-------------- contents -----------------------------------------------
【Part-1】 ~ 市民と企業で取り組む、現代アートによる街づくり活動「多摩川アートライン」 ~
【Part-2】 ~ 「街に住む人のライフスタイルが都市の質を決める」の信念に基づき、新しい街づくりを進める ~
【Part-3】 ~ 文化に軸足を置いた街づくりであれば、企業も市民と同じ方向を向いて街づくりに参加できる ~
【Part-4】 ~ ~アートプロジェクトと企業のかかわり方~ ~
【Part-5】 ~ 編集後記 アートプロジェクト支援の面白さは、他者の人生や世界観を取り込むことができること ~
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