人を幸せにするモノづくり
いかがですか、こちらのオフィスは?当社では最近「空間プロデュース業」も手がけていて、そのショールームも兼ねたオフィスなんですよ。
働く人が快適に過ごせるように、色や質感そして香りなどにもこだわっているのですが、こういうところにもわが社の社風が表れていると思います。
当社は代表の橋本が1995年に設立した会社で、デザイン性の高いライフスタイル商品の製造からスタートしました。
当時はまだ生活雑貨のほとんどが、機能性の追求がメインでデザイン性は後回しにされがちだったのですが、橋本はそこに目をつけて、非常に個性的な「エモーショナルなものづくり」に特化して、業界に新しい形を作りだしてきたのです。
私たちのモノづくりは「あったらいいな」とお客さんに思って頂けるような商品を生み出していくことを心がけています。それもまだお客さんが知覚していない「潜在願望」的に求めている商品を作り出していきたい。
そのような「モノづくりを通じての幸せ作り」を追求していきたいと思っています。
いま当社では、核となる「IDEA LABEL」のほか、「TAKUMI」や「YUEN'TO」など5つのオリジナルブランドを展開しています。そしてこれらをセレクトショップなどの小売店に卸したり、自社直営店で販売しています。直営店も、表参道ヒルズの「Idea
Frames」を皮切りに、「Idea Seventh Sense」など6つの業態で、20店舗を運営しています。
これらの展開の中でデザイナーに求める役割は大きく、さまざまな企画のコラボレーションとともに、有望なデザイナーの発掘支援プロジェクトなども始めました。通常のデザインコンペはコンペに出すためだけのデザインで終わってしまうことが多いのですが、当社が企画したデザインコンペ「id design award 2009」ではあくまでも最終製品にすることが目 的です。
大賞賞金も500万円と設定し、他では類のないレベルのものだと思います。そしてこのデザイナー支援も新しい事業の一つとして位置づけていこうと思っています。
私どもは同時に、「社会貢献」を非常に重視しています。お客様が喜んでくれる商品作りはもちろんのこと、それに加えて、生産者も幸せになれる仕組みを作ろうという考えです。例えば、先ほども申し上げた国内アーティストとのコラボもそうですし、社会福祉施設の方々との共同の取り組みもそうです。
福祉施設の利用者の方々の一般的な賃金など耳にしたことはありますか?私たちは利用者の方に最大限の配慮をした、よりよい労働条件のもとで積極的に仕事をお願いしております。
また当社のオーガニックコスメブランドの「アグロナチュラ」や「ビオリスタ」も、そういった発想から生まれたものです。オーガニック原料を生産しているイタリア・ピエモンテ州の農家は、手間ひまかけて栽培したハーブや野菜などといった作物の流通がなかなかうまく回らず利益に結びつきづらい状況がありました。
そこで、私たちが日本のマーケットに合ったデザインや企画を提案し、商品化したのです。
さらに、当社ではフェアトレードビジネスの仕組作りも進めています。パキスタンで作られたフットサルボールが第一弾の企画ですが、おかげさまで人気商品の一つになっています。
代表はいつも、「社会貢献とビジネスはどんな形でも両立が可能」と申しております。利益を目的にすると、特にこの不況下では、予算がないからこのCSRの寄付はやめましょう、という話になる。
しかし、支援というものは予算があるからやるものではなく、誰かのためを考えてするものですよね。「誰かのため」が目的であれば、継続した支援の仕組みを考えることが可能です。その仕組み作りをまず行う必要があると私たちは考えています。
全ては「人間至上主義経営」の理念から生まれる
今までの話はすべて、代表が掲げる理念である「人間至上主義経営」に繋がっています。これは、人の幸せを第一に考え、人を幸せにするためにこそ弊社が存在している、というものです。それはもちろん、社員に対しても同じです。社内では、社員がその能力を最大限伸ばして、いきいきと働ける風土づくりに励んでおります。
いくつか制度をご紹介しますね。例えば評価システムにおいては、全方位評価制を採用しています。
アルバイト・派遣を含む社員全員が、上下関係なくお互いに評価します。電話応対がきちんとできているか?といった基本事項や、会議で自発的に発言しているか?など様々な項目を評価し合います。
この方法だと、ワンマンで成果を上げただけでは評価されないようになっています。弊社では、周りの人を幸せにしてこそ、成果が価値を持つと見なします。
そして個性的な取組みの一つが、年に2回行われる社員向けテストです。
時事問題やイデアに関する試験が実施されるのですが、それがなかなかシビア。選択、筆記、文章問題があって、点数が足りないとレポートが課されます(笑)
管理部門・企画部門・デザイン部門などそれぞれの部門に関わらず、社会常識や幅広い知識がある上で、自分なりの問題意識を持つことを求めているのです。
また、月に一度行う月例会議も特徴的です。普通は幹部のみで経営方針を話し合う会社が多いですよね。弊社では社員約150名が今も全員で会議を聞き、社内の課題や情報を共有します。
そして、新人を含め全ての社員に、その能力を発揮する豊富なチャンスを与えています。
実際に私(海渕氏)も、入社2年目のときにイデアでも初めての開催となるプレス発表会の企画を実現する機会を頂きました。さらに、学生時代にバイトをしていたカフェで自分の描いたポストカードを販売していたのですが、こちらでも商品化したい、と思い提案したところ、最終的には店舗に置かせていただくことができました。
部門の垣根なく全社員が参加できる社内向けデザインコンペがあったり、どの部署からの提案もプラン次第ではきちんと受け入れられたりと、チャンスを作るのも社員、生かすのも社員、であると言えますね。
実は、例年大企業や国際協力NGOと弊社で就職を迷う学生さんがとても多いんです。「社会貢献」という意味で、大企業の方が大きな仕事ができる、と思うようです。ただし、大企業だと利益が出るか分からない企画は通りづらい現状があったり、実現までに相当時間がかかります。一方で弊社は新人・ベテラン問わず、やりがいを感じる仕事やプロジェクトに参加できるチャンスが多くあります。実際に生産者やお客様の喜ぶ顔が直接見られることも、スタッフの働き甲斐につながっています。
「人間至上主義」の元、私どもの創り出す商品や空間のすべてに社員みんながやりがいをもって取り組み、その結果生産者やお客様といった社会全体を幸せにするきっかけを提案していきたいと私どもは考えています。
<文章> 慶應義塾大学法学部3年 村田和恵








