
レジ業務に特化したレジスタッフアウトソーシング事業を展開するオンリーワン企業。大手百貨店、GMS、スーパーなどで多くの実績を持つ。また「ポクポン」「ピタミン」などのオリジナルグッズ製造も手がけ、ヒットを飛ばしている。
■人材に恵まれて成長した創業からの7年間
私は前職も人材会社に勤めていたんですが、新しく当社を立ち上げようとしたときに多くの部下や後輩が「一緒に参加したい」ってついてきてくれたんです。ですから創業メンバー集めには苦労しなかったどころか、すごく頼りになる人材が創業期から多数いました。これはとても大きかったですね。
そしてその後も成長過程において、社員の知り合いとかその友達とか、そういったくちコミだけで多くの優秀な人が集まってきました。
また人材会社ですので、現場に入った派遣社員の中で優秀な人を社員化できるという強みもあり、人材に困ったということはないですね。
無名なベンチャーにとって人材確保はコストも手間もかかります。その割に優秀な人材はなかなか採用できないのが普通です。そういう点では当社は最初から人材に恵まれていたので、企業を成長させやすい要素をたくさん持っていたんだと思います。
さらに特徴的なことは人が辞めないこと。創業から今までに30名くらいの管理職ポストを用意してきましたが、その役職者の退職者は僅かに1名なんです。これだけ急成長してきたベンチャーで、「幹部が辞めない」というのは非常に珍しくないですか?
■ビシネスモデルの強さでの成長から、個人のプロ意識を裏づけとした成長へ
当社の社員は管理職を含めて殆どが現場の仕事が出来ます。もちろん私もです。超繁忙期で人手が足りないときは、会社を上げて手伝いに借り出されることも多々有ります。
このような環境ですので、お互いにお互いの仕事の大変さとか現場の雰囲気を共有できます。そして「大変なときは助けに行く」、もっというと「痛みをシェアする」そういう文化も醸成されます。
結果としてアットホームな社風になり、居心地のいい辞めにくい会社になっているようです。
一方で事業モデルの特徴もあります。このレジのアウトソーシングという事業は、一度実績を持ったお客様はリピートされる確率がすごく高いです。ですから営業の人たちは、今ある実績を失う心配や、毎回毎回新規開拓頼みの焦燥感とか、そういうものにあまり追われていないので、前向きに仕事をしやすいということが言えます。
ただ逆にこれらから言えることは、社風とか退職率の低さとかそういった当社の良さが、「ビジネスモデルの秀逸さ」頼みになっている恐れがあるということです。
前々期まで一直線に拡大を続けた業績も前期で少し足踏みしました。「堅実な右肩上がり」が失われた後でも、そういった当社のよさを継続しつづけるかがこれからの課題です。
そこで最近力を入れているのが、私が率先して社員や現場のリーダーに直接強いメッセージを発信し続けることです。ちょうど今日も、現場に行って気合を入れてきましたよ(笑)
いま言い続けていることは、「プロ意識を持て」ということです。いままでは「人が足りない」という理由で、お客さんがついてきてくれることが多く有りました。しかし景気がこのような状況になってくると「人手不足対応」としての人材供給型ビジネスでは限界があります。
自分たちが強みとしてきた「教育」をベースにした「サービスの質」であらためて勝負する必然性が出てきます。そしてそれは、会社の名前で仕事をとる時代から個人の能力で仕事を作り出すステージになってきている事でもあります。
4月からはそういう意識の共有のために「社内報」の発行を始めました。毎月給料袋の中に入れて全社員に届けるようにしています。
■教育には力を注ぐ、そして新たなチャレンジにも積極的に
当社が派遣する人材には、他社とは比較にならないくらいに教育に時間をかけています。その合計は、20~30時間にものぼります。
共通の全体研修が4時間、これは基本知識を学ぶ机上学習になります。そして店舗に出て8時間、機器操作などのスキル研修です。そして8時間から長い場合18時間をかけて、さらに実践研修を続けます。
最近よく使うキーワードに「リスクヘッジ領域の接客」という言葉があります。お釣りを間違えるとか不機嫌そうに接客するなど、顧客減につながりかねないようなそういう接客を排除しましょうという意味です。店舗側がいくら「教育や接客にコストは掛けられない」と言っても、そこは最低限しなければいけないことです。
そしてその次の段階に接客の差別化などがあります。お子様やお年寄りなど、お客様に合わせた立ち振る舞いが必要になったりします。
また基本的な用語は英語で話せる教育をしたり、手話が通じる人も用意したり・・・。お客様が「予想していなかった嬉しいサービス」を提供できる仕組みづくりに、力を注いでいます。
そういう「プロフェッショナルなサービスの追求」と並んで重きを置いているのが「チャレンジ」に対する姿勢。少し前に一世を風靡した糸巻き人形の「ポクポン」、実はあの商品は当社で販売したものなんですよ。
最近でもTV情報番組の「スッキリ」とタイアップして、テリー伊藤さんの形の「テリピタ」という商品の開発をしたりもしています。
当社は有力な流通チェーンとは殆ど取引がありますから、人材派遣業とは全く領域の違うビジネスのように見えても、実は販路を共有する事でビジネス展開をしやすくできたのです。
そのほかにも、接客コンサルティング事業などの既存ビジネスの延長線や、「ホスピタリティ」をキーワードに介護ビジネスに発展させることやさまざまな取組みを考えています。
社員対象にも「社内公募」を募ったりして、誰もが積極的にチャレンジしていく風土作りを目指している最中です。
<6/11インタビュー 文章 北村 和郎>








