要介護認定等基準時間の推計方法

一分間タイムスタディ・データを元に、樹形モデルによる推計方法が作成された。「一次判定ロジック」ともいう。統計処理ソフトS-PLUSの樹形モデル作成機能が使われた。

この樹形モデルによる推計値の算出は手作業では手間がかかるため、国がソフトウェア化したもの(一般的に「認定ソフト」または「一次判定ソフト」などと呼ばれている。)を市町村へ配布している。認定調査の結果(2003年(平成15年)度以降は、医師意見書の一部項目も)を認定ソフトに入力すれば、対象者の樹形モデルによる介護に要する時間(要介護認定等基準時間)の推計値を算出できるようになっている。

樹形モデルは一般に公開されている(介護保険法に記載されている)ため、認定ソフトと同じ推計値を算出できるソフトが事業者等に流通している。結果として事業者は事前に一次判定結果を予測できることとなり、介護保険制度の初期には樹形モデルの妥当性や認定審査会による二次判定結果について不審感を抱くものもいた。

初期の樹形モデルでは、ある認定調査項目を状態が悪い方へ変更した場合でも、別の認定調査項目との樹形モデル内の関係により基準時間が小さくなる現象が指摘されていた。制度施行後もそのいくつかは解消されずに残っていたが、徐々に解消されつつある。

ただし、ほとんどの場合は対象者の状態が悪い方が介護の手間が増えるがそうではないケースもある。例えば、歩行ができる人とできない人を比較した場合、できない人は寝たきりの状態により介護の手間が少なくなることもあり、その事が樹形モデルに反映されている場合は、結果的に基準時間が短く推計されることもあり得る。

また、樹形モデルによる限界を解消するため、特定の条件に当てはまる場合樹形モデルで推計された要介護認定等基準時間の結果による一次判定結果とは異なる一次判定結果が求められるようになっている。



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